出産後や閉経後に多い腱鞘炎

「腱」は、筋肉の力を手足の先端に伝えるひも状のものです。指と筋肉と腱は常に連動しています。ちょうどあやつり人形のような感じで、あやつり人形の糸に相当するのが腱です。腱は腱鞘という鞘(さや)状のトンネルの中を通っています。

指を曲げると腱は腱鞘の中を滑るのですが、これが頻繁に繰り返されると腱が腱鞘とこすれ合って炎症が起きてしまいます。指の腱鞘炎で多いのがばね指、手首で多いのがドケルバンや狭窄性腱鞘炎とよばれるものです。ばね指は、指を曲げ伸ばしすると引っかかって「バチッ」と音がしたり、カクンとつまずいたりして、スムーズに曲げ伸ばしできなくなります。ばねの様になるので、このような病名がつけられています。

ドケルバン(狭窄性腱鞘炎)は、手首の親指側にある腱鞘が炎症を起こした状態で、親指を広げたり動かしたりすると痛みが起きたり、手首の親指側のこの部分が腫れたりします。これらの腱鞘炎は、出産後や閉経後に起きることが多い傾向があります。それは、女性ホルモンが影響しています。女性ホルモンの1種のプロゲステロンは出産や妊娠を助けてくれるホルモンです。

しかし出産を終えると、出産時に動いた骨盤を元の状態に戻そうとするために、腱鞘を収縮させます。そのために、腱が腱鞘の中を滑る時にこすれやすくなって、炎症が起きやすくなるのです。そして更年期や閉経後も腱鞘炎が起きやすくなります。これは、更年期になるとエストロゲンの分泌が低下してくるからです。

エストロゲンには、腱や腱鞘に弾力性や柔軟性を与える作用があります。そのエストロゲンの分泌が少なくなるので、腱や腱鞘の弾力性や柔軟性が乏しくなって、炎症が起きやすくなります。この時期は、指の使い過ぎや手首の使い過ぎに気をつけましょう。スマートフォンを長時間操作したり、パソコンを長時間使い続けると、腱や腱鞘に炎症が起こりやすくなります。

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